
私は17年間警察官として働いていました。
今回は警察組織の中で実際に使われていた“ある言葉”についてお話しします。
それは──

あいつ、勝ち組だなぁ。

という言葉。
これは、皮肉たっぷりの一言なんです。
一般的な“勝ち組”とはまったく違う、その意外すぎる意味を、警察のリアルな職場事情とともにお伝えします。
一般的な「勝ち組」ってどんな人?
まずは世間で言われる“勝ち組”のイメージから整理しましょう。
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若くして出世して管理職へ
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収入も安定、家族も円満
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周囲からの信頼も厚く、将来も安心
いわゆる「順風満帆な人生を歩んでいる人」のことですよね。
警察組織にも、もちろんこういう人はいます。
たとえば……
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本部長賞を受賞するような実績を挙げたお巡りさんや刑事さん
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昇任試験をバンバン通って警部補・警部になった人(若い人)
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共働きで経済的にもゆとりがある家庭を築いている人
でも、警察の世界で「勝ち組」と言われる人は、実はこういう人ではありません。
警察の“勝ち組”とは、こんな人たち
では、どんな人が「勝ち組」と呼ばれていたのか。
私が実際に見聞きしてきた“警察版・勝ち組”はこちらです。
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精神的な不調で長期休職していたが、復帰後も現場に戻されず、デスクで軽作業だけしている人
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業務能力が極端に低く、どの課にも配置されず、行き場を失っている人
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何らかの問題を起こして表舞台から外されながらも、辞めずに残っている人
そう、どう見ても“普通の意味での勝ち組”ではないですよね。
むしろ、傍から見れば「働けてないじゃん」と言われそうな人たちです。
なぜ彼らが「勝ち組」と呼ばれるのか?
ポイントは、皮肉です。
警察という組織は、とにかく「辞めさせにくい」。
だから問題を抱えた職員でも、簡単には解雇されません。
結果的に、
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仕事はしないけど、給料は出る
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出世コースから外れていても、なぜか堂々と存在している
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誰よりも定時で帰る
──そんな状況の人を、周囲がイヤミたっぷりに「勝ち組だな〜」と呼ぶのです。
私も実際に、何度もこの言葉を耳にしました。
中には、「辞めろよ」と思いながらも、うらやましく感じてしまう人すらいました。
組織の中にある“ねじれた感覚”
このような“逆転現象”が起きるのは、警察という閉鎖的で縦社会の強い職場だからこそ。
異動や人事がすべて内部で決まり、透明性が低いため、理不尽な評価や配置も珍しくありません。
真面目にやっている人が消耗し、
問題のある人が「勝ち組」扱いされる──
それが現実としてあったのです。
まとめ:あなたの職場にもいませんか?
この“皮肉な勝ち組”は、警察特有の話ではないかもしれません。
一般企業や他の公務員の世界でも、似たようなことはあるのではないでしょうか?
「働かないおじさん」
「辞めない問題児」
「周囲の負担で成り立っている存在」
そんな人たちが、“妙な形で守られている”光景。
あなたの職場にも、きっとひとりは思い当たるのでは?
最後に
私は、警察官としてまっとうに頑張っている人たちをたくさん知っています。
いや、寧ろ頑張っている人ばかりです!
でも、その中で、組織の歪みや皮肉な現実も見てきました。
この記事が、「本当の勝ち組とは何か?」を考えるきっかけになれば嬉しいです。
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