警察官を辞めたいと思った理由|40代後半で退職した元警察官が家族のために考えたこと

保険証券・税書類に囲まれた机で家計簿をつける40代男性 公務員・警察官の退職

「警察官を辞めたい」

そう思っても、なかなか人には言い出せないものです。

警察官は安定した公務員です。
家族や周囲から見れば、簡単に手放すにはもったいない仕事に見えるかもしれません。

私自身、警察官として17年間勤務しました。
そして40代後半で退職しました。

退職を決めるまでには、かなり悩みました。

安定した収入を失う不安。
警察官という肩書きを失う怖さ。
40代後半から本当に転職できるのかという不安。

それでも私は、最終的に退職を選びました。

理由は一つではありません。

育児に十分関われなかったこと。
障害のある子どもの療育にもっと関わりたいと思ったこと。
妻に負担をかけている申し訳なさ。
不規則な勤務による精神的な疲れ。
そして、経済的な安定だけでは、自分と家族の生活を守れないと感じたこと。

この記事では、17年間警察官として働いた私が、なぜ40代後半で退職を決めたのかを、実体験をもとに書いていきます。

退職をすすめる記事ではありません。
警察官という仕事を否定する記事でもありません。

ただ、今まさに「警察官を辞めたい」と悩んでいる方が、自分と家族の人生を考えるきっかけになればと思っています。

警察官を辞めたいと思うことは甘えではない

窓際の椅子で静かに決意を語る40代後半男性の姿

警察官を辞めたいと思うと、

「自分は甘えているのではないか」
「せっかく公務員になったのに、辞めるなんてもったいない」
「家族に迷惑をかけるのではないか」

と考えてしまう人もいると思います。

私もそうでした。

警察官は社会的信用もあり、収入も安定しています。
だからこそ、辞めたいと思っても簡単には口に出せません。

しかし、辞めたいと感じること自体は、決して甘えではないと思います。

もちろん、勢いで退職を決めるのは危険です。
生活費、家族のこと、転職活動、退職後の手続きなど、考えるべきことはたくさんあります。

それでも、心や家庭生活に無理が出ているなら、一度立ち止まって考えることは必要です。

警察官を続けることだけが正解ではありません。
辞めることだけが正解でもありません。

大切なのは、自分と家族にとって、どの選択が現実的なのかを考えることだと思います。

私が警察官を辞めたいと思った理由

コーヒー杯を手に熟考する姿・奥に制服ジャケット

私が退職を考えるようになった理由は、仕事が嫌になったからだけではありません。

むしろ、警察官として働いた17年間には、多くの経験がありました。
大変なこともありましたが、学んだことも多かったです。

それでも退職を考えたのは、家族との生活や自分の精神状態を見直したときに、このままでいいのかと感じたからです。

育児に十分関われなかった後悔

警察官の勤務は不規則です。

当直、夜勤、休日出勤、急な呼び出し。
家族と予定を立てていても、仕事を優先せざるを得ない場面があります。

私自身、子どもの成長に十分関われなかったという思いがあります。

もちろん、家族のために働いているつもりでした。
しかし、気づけば育児の多くを妻に任せてしまっていました。

子どもが小さい時期は戻ってきません。

そのことを考えたとき、収入の安定だけでは埋められないものがあると感じました。

子どもの療育にもっと関わりたかった

私の家庭では、子どもの療育に関わる時間も大きな課題でした。

療育や通院、学校関係の準備など、家庭として向き合わなければならないことがあります。

しかし、不規則な勤務の中では、どうしても妻に負担が偏ってしまいました。

「もっと自分が関われたのではないか」
「家族に任せきりになっていたのではないか」

そうした申し訳なさが、少しずつ大きくなっていきました。

子どものことは家庭によって事情が違います。
私の選択が誰にでも当てはまるわけではありません。

ただ、私にとっては、仕事を続けることと家族に関わることのバランスを考え直す大きな理由になりました。

妻に負担をかけている申し訳なさがあった

警察官として働いていた頃、家のことや子どものことは、妻に頼る部分が多くありました。

勤務時間が読めない。
休みの日でも完全に気が休まらない。
急な勤務変更がある。

そのたびに、家庭の調整は妻に任せることになりました。

もちろん、妻がすべてを不満に思っていたわけではないかもしれません。
しかし、私自身の中には、ずっと申し訳なさがありました。

退職を考えるうえで、妻の理解はとても大きかったです。

自分一人の問題ではなく、家族全体の生活をどうするか。
そこを話し合えたことは、退職を決めるうえで欠かせない時間でした。

不規則勤務で精神的に疲れていた

警察官の仕事は、精神的な緊張が続きやすい仕事です。

事件、事故、相談、苦情、書類、当直、突発対応。
勤務が終わっても、完全に頭を切り替えられないことがあります。

私も、不規則な勤務の中で精神的に疲れていました。

休んでいるはずなのに、心が休まらない。
家にいても仕事のことが頭から離れない。
次の勤務のことを考えると気持ちが重くなる。

そうした状態が続くと、家庭にも影響が出ます。

「このまま働き続けて、自分は大丈夫なのか」
「家族に対して、ちゃんと向き合えているのか」

そう考えるようになりました。

経済的安定より精神的健康を優先した

公務員を辞めることは、経済的な安定を手放すことでもあります。

毎月決まった日に給与が入り、賞与もあり、社会的信用もある。
その安定は、とても大きなものです。

私も、その安定を手放すことには強い不安がありました。

ただ、最終的には、経済的な安定だけでは自分や家族を守れないと感じました。

もちろん、お金は大切です。
きれいごとだけでは生活できません。

だからこそ、私は退職前に生活防衛費を準備し、家計を見直し、妻とも話し合いました。

そのうえで、精神的な健康や家族との時間を優先する選択をしました。

警察官という肩書きを失う不安は大きかった

バッグを握りしめて玄関に立つ姿・不安げな表情

退職前に大きかった不安の一つが、「警察官」という肩書きを失うことでした。

警察官でいる間は、良くも悪くも社会的な信用があります。

職業を聞かれたときに「警察官です」と言えば、それだけで一定の信用を持たれることもあります。

しかし、退職すればその肩書きはなくなります。

40代後半で警察官を辞めた自分に何が残るのか。
民間企業で通用するのか。
家族を支えていけるのか。

そうした不安は、正直かなりありました。

ただ、今はこう考えています。

肩書きがなくなっても、17年間の経験まで消えるわけではありません。

警察官として身につけた対人対応力、責任感、現場対応力、書類作成能力、継続力は、別の場所でも活かせる可能性があります。

大切なのは、警察官という肩書きにしがみつくことではなく、自分の経験をどう次に活かすかだと思います。

退職を決める前に家族と話し合ったこと

ダイニングテーブルで夫婦が向き合い相談している姿

退職は、自分一人の問題ではありません。

特に家族がいる場合、自分の気持ちだけで決めることはできません。

私も、妻と何度も話し合いました。

妻の理解が大きな支えになった

退職を考えるうえで、妻の理解はとても大きかったです。

もし妻の理解がなければ、私は退職に踏み切れなかったと思います。

もちろん、退職後の生活には不安があります。
収入、引っ越し、子どものこと、転職活動。

話し合うべきことはたくさんありました。

それでも、家族として今後どう生活していくかを話し合えたことは、自分にとって大きな支えになりました。

子どもの入学タイミングも考えた

退職のタイミングを考えるうえで、子どもの入学も重要な要素でした。

家庭の事情や子どもの環境を考えると、いつ辞めるかは簡単に決められません。

転職だけを考えれば、早く動いた方がよい場面もあるかもしれません。
しかし、家族の生活を考えると、子どもの環境やタイミングも無視できませんでした。

退職時期は、仕事だけでなく、家族の事情も含めて考える必要があると感じました。

関東への移住と育児支援を考えた

私の場合、退職後は関東への移住も考えていました。

理由の一つは、育児支援です。

子どもの療育や家族のサポート体制を考えたとき、住む場所を変えることも選択肢になりました。

ただし、移住にはお金も手続きも必要です。

家賃、引っ越し費用、学校関係、病院、療育先の確認。
退職と同時に考えることが一気に増えます。

そのため、退職を考えるなら、仕事を辞めるかどうかだけでなく、退職後の生活環境まで想定しておく必要があります。

警察官を辞める前に準備したこと

デスク上に整理されたお金・保険書類の静物

退職は勢いだけではできません。

特に40代後半で家族がいる場合、準備はかなり重要です。

私が退職前に意識したことを紹介します。

約2年分の生活防衛費を準備した

私の場合、退職前に約2年分の生活費を準備しました。

これは、転職先がすぐに決まらない可能性や、家族の事情で思うように動けない可能性を考えたからです。

ただし、2年分が誰にとっても正解というわけではありません。

必要な生活防衛費は、

  • 家族構成
  • 住宅ローンや家賃
  • 子どもの年齢
  • 転職活動の状況
  • 退職後の居住地
  • 健康状態

によって変わります。

大切なのは、「なんとかなる」ではなく、毎月いくら必要なのかを現実的に計算することだと思います。

退職後のお金については、2本目の記事で詳しくまとめています。

40代後半で警察官を辞める前に確認したお金についての記事はこちら

教育費は別に管理した

生活費とは別に、子どもの教育費は分けて考えました。

退職後は、収入が不安定になる可能性があります。
その中で、教育費まで生活費に混ぜてしまうと、不安が大きくなります。

私の場合は、生活防衛費と教育費を分けて管理するようにしました。

家庭によって事情は違いますが、子どもがいる場合は、生活費と教育費を分けて考えることをおすすめします。

在職中に転職活動を始めた

退職前、在職中に転職活動も始めました。

しかし、正直に言うと、かなり大変でした。

警察官の勤務は不規則です。
面談の日程調整、書類作成、求人確認、応募準備。

これらを勤務の合間に進めるのは簡単ではありませんでした。

結果的に、在職中の転職活動は思うように進まず、退職後に切り替える形になりました。

この経験から、在職中に転職活動をするなら、かなり早めに準備した方がよいと感じています。

プログラミング・デザイン・ブログの勉強も始めた

退職後の働き方を考える中で、私はプログラミング、デザイン、ブログなどの勉強も始めました。

すぐに収入につながったわけではありません。

むしろ、思ったより難しく、途中で挫折したこともあります。

それでも、今はブログやAI活用にも挑戦しています。

成功しているから発信しているのではありません。
悩みながら、試行錯誤しながら続けています。

だからこそ、同じように公務員退職やアラフィフ転職で悩む人に、現実に近い情報を届けたいと思っています。

辞めたことに負い目を感じなくていい

ソファで寛ぎ「手放す」ジェスチャーをする40代後半男性の姿

警察官を辞めると、周囲の目が気になることがあります。

「もったいない」
「なぜ辞めたのか」
「公務員なのに」

そう言われるかもしれません。

私自身も、退職に対する負い目のようなものはありました。

しかし、今は必要以上に気にしなくていいと思っています。

退職には、人それぞれ事情があります。

家庭の事情。
健康の事情。
子どものこと。
働き方の問題。
人生の価値観。

外から見ただけでは分からないことがあります。

だから、辞める決断をした自分を責めすぎる必要はありません。

むしろ、悩んで、考えて、家族と話し合って決めたなら、その決断をした自分を少しは認めてあげてもいいと思います。

警察官時代を否定せず、次の人生に進めばいい

オフィスビル前でスーツ姿で堂々と立つ男性

退職したからといって、警察官時代を否定する必要はありません。

私も、警察官として働いた17年間を無駄だったとは思っていません。

苦労もありました。
大変なこともありました。

しかし、その経験があったからこそ、今の自分があります。

警察官は「潰しが効かない」と言われることがあります。

たしかに、警察独特の仕事は民間企業にそのまま伝わりにくい面があります。

しかし、対人対応力、責任感、継続力、危機管理能力、書類作成能力など、活かせる経験はあります。

問題は、警察での経験をそのまま伝えるのではなく、民間企業に伝わる言葉に変えることです。

職務経歴書や転職活動については、3本目の記事で詳しく解説します。

警察官から転職する場合の職務経歴書の書き方についての記事はこちら

まとめ|辞めるかどうかは、他人ではなく自分と家族の人生で考える

川辺の遊歩道を夫婦で並んで歩く

警察官を辞めたいと思っても、すぐに答えは出ません。

私も、かなり悩みました。

安定した収入。
警察官という肩書き。
40代後半という年齢。
家族の生活。
転職への不安。

考えることはたくさんありました。

それでも私は、家族との時間や精神的な健康を考え、退職を選びました。

この記事で伝えたいのは、警察官を辞めるべきだということではありません。

続ける選択もあります。
異動や休暇、相談によって状況が変わる可能性もあります。
退職ではなく、まずは働き方を見直す方法もあるかもしれません。

ただ、もし今あなたが本気で悩んでいるなら、一人で抱え込まず、家族や信頼できる人に相談してみてください。

そして、お金や制度に関わることは、勤務先の担当部署、自治体、年金事務所、ハローワークなどにも確認してください。

辞めるか続けるかは、他人が決めることではありません。

自分と家族の人生をどうしたいのか。
そこから考えていいと思います。

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