退職届はいつ出せばいいのか。
退職願と退職届は何が違うのか。
退職理由はどこまで書くべきなのか。
上司にはどのタイミングで伝えればいいのか。
退職を考え始めると、こうした不安が一気に出てくると思います。
私自身、警察官として17年間勤務したあと、家族との時間を大切にしたいという思いから、40代後半で退職しました。
退職届は、形式的には退職の意思を伝えるための書類です。
しかし、17年間勤めた職場を離れる私にとっては、単なる紙ではありませんでした。
次の人生へ進むための、大きな区切りのように感じました。
この記事では、退職届の書き方、提出タイミング、退職願との違い、提出時のマナーを解説します。
あわせて、私が実際に退職届を書いたときに感じた緊張や、退職後の準備で後悔したこともお伝えします。
なお、この記事は主に民間企業で働く方にも分かりやすいよう、一般的な退職届の考え方をまとめたものです。
公務員や警察官の場合は、民間企業とは手続きや書式が異なる場合があります。必ず所属先の規程や担当部署の案内を確認してください。
退職届は単なる書類ではなく、退職の大きな区切りだった
退職届は、会社や組織に対して「退職します」と正式に伝えるための書類です。
書類として見れば、内容はとてもシンプルです。
多くの場合、
一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたします。
という文言を中心に、日付、所属、氏名などを記載します。
しかし、実際に退職届を書く立場になると、単なる書類とは感じにくいものです。
私も退職届に書く内容自体は、担当の方から案内されていました。
自己都合での退職だったため、「一身上の都合により」と記載すればよいと分かっていました。
それでも、直筆で書くときはかなり緊張しました。
文字の大きさはこれでいいのか。
真っ直ぐ書けているか。
失礼な印象にならないか。
普段なら気にしないようなことまで気になりました。
「これを出したら後戻りできない」というよりも、すでに自分の中では後戻りできないところまで来ているのだと感じ、不安になったことを覚えています。
退職届は形式的な書類かもしれません。
しかし、長く勤めた職場を離れる人にとっては、気持ちの面でも大きな区切りになる書類だと思います。
退職届とは?退職願との違いを確認
退職に関する書類には、主に「退職願」と「退職届」があります。
名前は似ていますが、意味合いは少し異なります。
退職願は「お願い」、退職届は「正式な通知」
退職願は、会社や組織に対して、
退職したいので認めてください
とお願いする意味合いの書類です。
一方、退職届は、
退職することを正式に届け出ます
という意味合いの書類です。
簡単に言えば、
- 退職願:退職の相談・お願い
- 退職届:退職の意思を正式に伝える書類
と考えると分かりやすいです。
ただし、実際にどちらを使うかは、勤務先のルールや手続きによって異なります。
自己判断で進めるのではなく、就業規則や担当部署の案内を確認しましょう。
公務員や警察官は所属先の規程確認が必要
公務員や警察官の場合、民間企業とは退職手続きや書式が異なる場合があります。
私の場合も、退職届に記載する文言については担当の方から案内がありました。
そのため、公務員の方や警察官の方は、インターネット上のテンプレートだけで判断せず、必ず所属先の規程や担当部署の案内を確認してください。
この記事の例文は、あくまで一般的な自己都合退職の例として参考にしてください。
退職願・退職届と辞表の違いについての記事はこちら
退職届はいつ出す?提出タイミングの目安
退職届を出すタイミングは、多くの人が悩むポイントです。
「2週間前でいいのか」
「1か月前には伝えるべきなのか」
「上司にはいつ話すべきなのか」
と迷う方も多いと思います。
法律上の考え方
期間の定めのない雇用契約の場合、民法627条では、解約の申入れから2週間で雇用が終了するとされています。
ただし、これはあくまで法律上の基本的な考え方です。
実際には、
- 就業規則で退職申出の時期が定められている
- 引き継ぎが必要
- 有給休暇の消化を調整する必要がある
- 有期雇用契約の場合は扱いが異なる
- 公務員の場合は別の規程がある
といったケースがあります。
そのため、「2週間前に出せばどんな場合でも問題ない」と考えるのは避けた方が安心です。
円満退職を目指すなら、就業規則や所属先の規程を確認し、できるだけ早めに直属の上司へ相談することをおすすめします。
不安がある場合は、労働基準監督署、労働相談窓口、社会保険労務士、弁護士などの専門家に確認しましょう。
円満退職を目指すなら早めの相談が安心
退職届は、いきなり出すよりも、まず直属の上司へ退職の意思を伝える流れが一般的です。
職場によって違いはありますが、円満退職を目指すなら、
- 退職したい理由を整理する
- 就業規則や所属先の規程を確認する
- 直属の上司に相談する
- 退職日や引き継ぎを調整する
- 指定された形式で退職届を提出する
という流れが自然です。
退職届そのものよりも、最初に上司へ伝える場面の方が緊張する人も多いと思います。
私もそうでした。
私が上司に退職を伝えるまでに感じた不安
私の場合、退職届を書くこと以上に緊張したのは、最初に直属の上司へ退職の意思を伝えることでした。
「今日こそ言おう」
「夜間のパトロールで上司と二人になったときに話そう」
「仕事終わりに声をかけて、少し時間を作ってもらおう」
そんなふうに、何度も頭の中で想定していました。
しかし、実際にはなかなか言い出せず、何度もタイミングを逃しました。
退職を決めているのに伝えられない時間が続き、かなり焦ったことを覚えています。
直属の上司に伝えたあとは、その上の方への報告などを上司が段取りしてくれました。
最後まで頼りになる上司で、正直なところ、
「もう少し一緒に働きたかった」
と感じたほどです。
退職は、職場への不満だけで決めるものとは限りません。
感謝や未練があっても、家族との時間やこれからの人生を考えて、退職を選ぶこともあります。
だからこそ、退職を伝えるときは感情的になりすぎず、まずは直属の上司に落ち着いて相談することが大切だと感じました。
退職届の書き方|基本フォーマットと例文
退職届の書き方は、基本的にはシンプルです。
ただし、会社や組織によって指定の書式がある場合があります。
必ず事前に確認しましょう。
退職届に書く項目
一般的な退職届には、以下の項目を記載します。
- タイトル:退職届
- 前文:私儀、または私事
- 退職理由
- 退職日
- 提出日
- 会社名または組織名
- 所属部署
- 氏名
- 押印
手書きかパソコン作成かは、勤務先のルールに従いましょう。
指定がない場合でも、白無地の便箋やシンプルな用紙を使い、読みやすく丁寧に作成することが大切です。
退職理由は「一身上の都合により」が一般的
自己都合で退職する場合、退職理由は、
一身上の都合により
と簡潔に書くケースが一般的です。
私も退職届を書く前は、退職理由をどう書けばよいのか気になっていました。
17年間勤めた職場を辞めるわけですから、何かきちんとした理由を書かなければならないのではないか、と考えていたからです。
しかし、実際には担当の方から、
一身上の都合により、と記載してください
と案内され、正直なところ少し拍子抜けしました。
それだけ退職届は、気持ちを長く説明する書類ではなく、退職の意思と退職日を正式に伝えるための文書なのだと感じました。
家族との時間を大切にしたい。
これからの働き方を見直したい。
環境を変えたい。
そうした思いがあったとしても、退職届に詳しく書く必要があるとは限りません。
詳しい事情を伝える場合は、退職届ではなく、上司との面談などで必要な範囲にとどめて話す方がよいでしょう。
なお、会社都合退職に該当する可能性がある場合や、ハラスメント・未払い賃金などの労務トラブルが関係する場合は、自己判断で退職届を出す前に、労働相談窓口や専門家に確認することをおすすめします。
退職理由の伝え方や引き止めに合わないコツ、切り出すタイミングについての記事はこちら
退職届の例文
以下は、自己都合退職の場合の一般的な例文です。
退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、
令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇 様
〇〇部 〇〇課
氏名 〇〇〇〇 印
会社によっては、宛名、日付、部署名、押印の有無などが異なる場合があります。
必ず勤務先の指定に従ってください。
退職届の封筒・提出方法・マナー
退職届は、書き方だけでなく、封筒や提出方法にも気を配ると安心です。
封筒の書き方
一般的には、白無地の封筒を使います。
表面には、
退職届
と書きます。
裏面には、所属部署名と氏名を書きます。
手渡しする場合は封をしないこともありますが、郵送する場合は封をして、記録が残る方法を検討するとよいでしょう。
ただし、提出方法についても会社や組織のルールがあります。
事前に確認しておくと安心です。
直属の上司や担当部署への提出
退職届は、いきなり人事や総務へ出すのではなく、まず直属の上司に相談する流れが一般的です。
ただし、職場によって提出先や手順は異なります。
私の場合も、直属の上司に退職の意思を伝えたあと、担当の方に案内されながら手続きを進めました。
自分だけで判断せず、職場のルールに沿って進めることが大切です。
提出するときに私が感じた緊張
退職届を提出するときも、かなり緊張しました。
自分では落ち着いているつもりでしたが、渡す手が少し震えていたのを覚えています。
周りの同僚の目も気になりました。
「辞めるの?」
「なぜ辞めるの?」
「辞めて何をするの?」
そう聞かれたら、どこまで答えればいいのか。
これまで一緒に働いたことのある同僚には、誰まで報告すればいいのか。
そんなことも頭の中で考えていました。
しかし、実際に提出してみると、担当の方はあっさりと受け取ってくれました。
自分にとっては人生の大きな節目でも、組織にとっては手続きの一つとして進んでいく。
その温度差に、少し拍子抜けしたのを覚えています。
ただ、そのあっさりした受け取り方に、逆に少し救われた面もありました。
必要以上に大ごとにならず、淡々と手続きが進んだことで、少し気持ちが軽くなりました。
退職届を出した後にやること
退職届を出したら終わりではありません。
むしろ、退職届を出した後から、現実的な手続きが一気に始まります。
貸与品の返還や必要書類の確認
退職日までに確認したいものには、次のようなものがあります。
- 貸与品の返還
- 身分証や社員証などの返却
- 制服や装備品などの返却
- 私物の整理
- 引き継ぎ資料の作成
- 源泉徴収票
- 離職票
- 雇用保険関係の書類
- 退職金に関する書類
公務員の場合は、辞職に関する辞令など、民間企業とは異なる手続きがある場合もあります。
必要な書類や手続きは勤務先によって異なるため、担当部署に確認しましょう。
健康保険・年金・退職金などの確認
退職後は、健康保険や年金の手続きも必要になります。
たとえば、健康保険については、
- 任意継続
- 国民健康保険
- 家族の扶養に入る
など、状況によって選択肢が変わる場合があります。
年金についても、退職後の働き方や収入状況によって手続きが異なります。
退職金や住民税についても、退職時期や自治体、勤務先の制度によって変わる可能性があります。
ここは個人差が大きいため、ネット記事だけで判断せず、市区町村、年金事務所、勤務先の担当部署、税務署、専門家などに確認することをおすすめします。
退職届を出した後、頭がこんがらがった話
私も退職届を出した瞬間は、正直なところ、
これで辞められる
とホッとしました。
しかし、その後すぐに現実的な手続きが次々と出てきました。
貸与品の返還、健康保険の任意継続、年金、退職金、辞職の辞令の受け取りなど、確認することが一気に増え、頭がこんがらがったのを覚えています。
退職届を出すまでは、
- どう伝えるか
- どう書くか
- どう思われるか
ということで頭がいっぱいでした。
しかし、本当に大変なのは、退職届を出した後に始まる手続きや生活の準備だったのだと感じました。
退職届は大きな区切りです。
でも、退職後の生活はそこから始まります。
私が退職前にもっと準備しておけばよかったこと
今振り返ると、退職届を出す前にもっと考えておけばよかったことがあります。
特に大きかったのは、転職活動と社会保険・年金のことです。
転職活動を後回しにしてしまった
私も退職前に、少しだけ転職活動をしていました。
仕事が終わってから面接に行ったこともあります。
しかし、40代後半という年齢のこともあり、面接対策や自己分析を十分にできないまま受けてしまい、結果はなかなかうまくいきませんでした。
そのとき私は、
辞めてからの方が、時間を取ってちゃんと転職活動ができる
と安易に考えていました。
しかし実際には、退職後も関東への引っ越し、家探し、子どもの療育や小学校関係の準備など、考えることはたくさんありました。
さらに、健康保険や年金などの手続きもあり、思っていたほど転職活動だけに集中できたわけではありません。
当時はプログラミングやWEBデザインの勉強もしていたため、その分野の仕事ばかりを探していました。
もちろん、新しい分野に挑戦すること自体は悪いことではありません。
ただ、もっと早い段階で、
- 自分は何をしたいのか
- これまでの経験から何ができるのか
- 家族との生活を考えたとき、どんな働き方が合っているのか
を整理しておくべきだったと感じています。
転職活動で不採用の連絡が続くと、正直かなり落ち込みます。
慎重に検討させていただいた結果、誠に残念ではございますが、今回の採用は見送らせていただくこととなりました。
このような文面を見るたびに気持ちが沈み、私は子どもの学校関係や引っ越し準備などを理由にして、転職活動を後回しにしていた部分もありました。
今、退職前の自分に声をかけるなら、こう言いたいです。
年齢を気にしているなら、先に転職活動をしなさい。
今が一番若い。
先送りにしても年を取るだけで、不利になるだけやで。
とはいえ、当時の私がそれを聞いても、すぐに動けたかどうかは分かりません。
それでも、退職届を出す前に、転職活動や自己分析、退職後のお金の流れを少しでも具体的に考えておくことは、本当に大切だったと感じています。
社会保険や年金を早めに調べておけばよかった
社会保険や年金についても、私は十分に考えられていませんでした。
退職後は、条件によっては保険料や年金に関する申請、相談ができる場合もあります。
ただし、制度は個人の状況や自治体によって異なるため、ここで一律に「こうすれば大丈夫」とは言えません。
もっと早く調べていれば、免除や減額の申請など、確認できたことがあったかもしれないと感じています。
退職を考えている方は、退職届の書き方だけでなく、退職後の健康保険、年金、住民税、退職金、生活費についても早めに確認しておくと安心です。
分からない場合は、市区町村、年金事務所、ハローワーク、勤務先の担当部署などに相談しましょう。
退職届を出す前のチェックリスト
退職届を出す前に、以下を確認しておくと安心です。
□ 就業規則や所属先の規程を確認した
□ 退職願と退職届の違いを理解した
□ 退職希望日を考えた
□ 直属の上司に伝えるタイミングを考えた
□ 引き継ぎに必要な期間を確認した
□ 有給休暇の残日数を確認した
□ 貸与品の返還物を確認した
□ 健康保険の切り替え方法を調べた
□ 年金の手続きを確認した
□ 住民税や退職金について確認した
□ 転職活動や次の働き方を考えた
□ 家族に相談した
□ 退職後の生活費を試算した
すべてを完璧に準備するのは難しいと思います。
私自身も、退職前に十分できていたとは言えません。
だからこそ、この記事を読んでいる方には、退職届の準備と同時に、退職後の生活も少しずつ確認してほしいと思います。
まとめ:退職届は次の人生へ進むための大切な区切り
退職届は、退職の意思を正式に伝えるための書類です。
書き方自体は難しくありません。
自己都合退職の場合は、「一身上の都合により」と簡潔に書くケースが一般的です。
ただし、退職届は単なる紙ではありません。
長く勤めた職場を離れる人にとっては、気持ちの面でも大きな区切りになります。
私自身、17年間勤めた警察という組織を退職するとき、退職届を書く手も、提出するときの手も緊張していました。
上司に伝えるタイミングを何度も逃し、退職後の手続きで頭がこんがらがり、転職活動を後回しにしてしまった後悔もあります。
だからこそ、これから退職届を出そうとしている方には、退職届の書き方だけでなく、退職後の生活も一緒に考えてほしいです。
退職は終わりではなく、次の生活の始まりです。
不安があるのは自然なことです。
迷うのも当然です。
大切なのは、勢いだけで進めるのではなく、勤務先のルールを確認し、必要な手続きを整理し、家族や信頼できる人にも相談しながら、一つずつ準備していくことだと思います。
退職届を整えることは、次の人生へ進むための準備の一つです。
焦らず、でも先送りしすぎず、自分のこれからの働き方と生活を考えながら進めていきましょう。




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